今回はお馴染みのクリア―したゲームの感想です。
ここ最近のゲームでは本当に色々な意味で心動かされた作品。
アトラスの【十三機兵防衛圏】です。
ジャンルはSFアドベンチャーゲームになるのかな?
今回はかなり個人的な見解が入った雑記になります。
それでも良い方は見ていただけると嬉しいです。
十三機兵防衛圏の世間の評価
きちんとしたデーターでは正直苦戦したゲームを言わざるを得ないでしょう。
販売から2か月以上経ってようやく10万本を突破しました。
同じフュチャー賞を受賞した【ライザのアトリエ】が40万本突破なのでかなりの差がついた感じがします。
ただ10万本という数字はけっしてコケた数字では無いと思います。
ただプレイした人間からすると『このクオリィティーのゲームがこの評価とは』と正直感じました。
実際プレイした人のレビューはかなり好意的な意見が多いです。
では何故これほど売り上げが上がらなかったのか。
個人的にはマーケティング不足感があります。
うちも名前は聞いていましたがTGSに出品されてから2年以上かかって販売されました。
その間の期待感が正直なかったように感じます。
そしてもう一つはジャンルと世界観。
正直とっつき難いイメージがあります。
かくいううちも進められるまでプレイしませんでした。
簡単にいうと今の主流とは離れた2Dの世界感であったり、ライザのようにキャラの強さもなく戦闘自体も一世代昔の感じがあります。
良い意味でも悪い意味でも一部のマニア向けの作品感が強いと感じます。
手軽にやってみようかという感覚が無いゲームだと言わざるを得ません。
逆にこれだけマイナスがあるのにやはり10万本売り上げる点などを考えるとゲーム自体の出来が素晴らしいのだと感じます。
まとめるとやらず嫌いのゲーム。
ニーアーオートマタがゲームオブザイヤーで賞とってから一気に80万本から350万本まで売り上げが跳ね上がったように、このゲームも何かのきっかけで爆発的に人気が出る可能性が非常に高いゲームだと思います。
十三機兵防衛圏というゲーム
いつもならこのゲームの良い点・悪い点を見ていくのですが、そのレベルのゲームでは無いと感じます。
よってこのゲームが特殊であるとうちがプレイしていて感じた点を3つ挙げてみます♪
アドベンチャーパートの仕組み
ストーリーが良いとかのレベルでは無く、自然とのめり込ませるアドベンチャーパートがこのゲームの最大の肝だと思いました。
内容的には少しマニアックでSF色が強く人を選ぶようなストーリーですが自然の頭にスっと入ってきます。
これはやはり仕組みの妙だと感じました。
上手く説明出来ませんが、物語の仕組みが多層構造になっているのです。
ひとつひとつのシナリオが物語として成立しつつ、他のシナリオと複雑に絡み合いながら進んでいく。
シナリオ一つでは分からない事も進めていくと繋がっていく。
そして各シナリオの最後は必ず次に繋がるような意味深な内容で終了する。
うちの中ではこれほどまで組み込まれたアドベンチャーゲームは経験したことがありませんでした。
というかここまで多重構造のアドベンチャーゲームって今まで無かったと思います。
そういう意味でもこのゲームは凄く革新的なシステムを構築しており、これがプレイヤーを引き付ける最大の特徴なのだと感じました。
2Dグラフィックの深みと魅力
うちも最初プレイしている時はあまり感じなかったのですが、この2Dグラフィックのレベルが凄すぎます。
何も感じさせないぐらい当たり前のように表現されるキャラクター達。
もともとヴァニラウェアさんのグラフィックには独特の雰囲気があり、評価が高いグラフィックとして認知されていました。
実際最初はいつも通りのヴァニラウェアの雰囲気だなと思いましたが今作はそれプラスアルファーの感覚を突きつけらました。
まるで自分自身が疑似体験をしているような感覚、雰囲気に飲み込まれたのです。
これは逆に現在主流となる3Dによる仮想現実では体験出来ない本来ゲームが持つであろう疑似体験の世界を2Dグラフィックで最大限まで構築しているのです。
このグラフィックに関しましても綺麗とか雰囲気がとかのレベルでは無く、もちろん作り方もあるとは思いますが2Dグラフィックが元来持っている性質を最大限まで絞り出した完成型だと感じざるを得ませんでした。
開発者の皆様には本当に頭が下がります。
割り切りの妙
最後は崩壊編と呼ばれるバトルパートです。
あくまでうち個人の見解ですが、ここではアドベンチャーパートと違い完全に簡略化されています。
主人公の機兵はもちろん、敵のダイモスでさえ姿かたちがゴツゴツしたマーカーでのみ表示されていてます。
そしてシステムも単純明快なタワーディフェンスゲーム。
しかしこの簡略化が割り切りの妙なのです。
最初バトルパートをやると戸惑いますが、普通に面白いのです。
逆にこの簡素化された内容が又アドベンチャーパートのシナリオとマッチしていて効いてきます。
まさにビールに餃子レベルの繋がりを作り上げていきます。
それでいて兵装や出撃メンバーなど考える部分もきちんと残されており、最後はアドベンチャーパートでは無くバトルパートで終わる流れも秀逸です。
まさしく引き算の美学です。
まとめ
ここまで良いところばかり述べていますがもちろんマイナス面もあります。
例えばアドベンチャーパートで謎解きがわからないと永遠にループさせられたり、バトルパートではインターセプターが強すぎたりと改善ポイントはあるとは思います。
ただそんな事は本当に些細な事だと感じられるぐらいの傑作というしかないのです。
うち個人の評価は100点満点中98点ぐらいです。
ここ最近のゲームではニーアオートマタ以来にドはまりしたゲームでした。
こういった荒廃的なゲームはあまり好きではなかったのですがニーアと十三機兵のお陰で40過ぎて内にある新たな趣向が目覚めてしまったようです。
って考えるとエンディングはもっと救いがない感じでもよかったかな?
今後はSF系の名作でも探してやってみようかと思います。
やらず嫌いのゲーム。
まだプレイされていない方。
ぜひ一度遊んで見てください♪