いよいよ終盤に差し掛かった2024年冬アニメ。
当初は放映本数の少なさや目玉タイトルの不在であまり期待されていませんでしたが、いい意味で期待を裏切る近年まれにみる豊作となりました。
そんな中でも2作品が人気面で完全に突出する結果に。
今回はその二作品について見ていくことにします。
葬送のフリーレン
![YOASOBI『葬送のフリーレン』OP担当で曲名は「勇者」 新PV公開でEDはmilet【コメントあり】 | ORICON NEWS](https://i0.wp.com/contents.oricon.co.jp/upimg/news/2294000/2293083/20230831_191044_p_o_11814374.jpg?ssl=1)
まず1作品目は【葬送のフリーレン】。
2023年秋アニメから継続して2期連続放映のこの作品。
23時以降という深夜帯にもかかわらず視聴率3%以上を叩き出し、国民アニメを上回る結果を上げていました。
そんな今作の2クルー目はどんな状況なのでしょうか?
結論からいうと視聴率3.7%とさらに上がっています。
![葬送のフリーレン - シーズン1 - 18話 (アニメ) | 無料動画・見逃し配信を見るなら | ABEMA](https://i0.wp.com/image.p-c2-x.abema-tv.com/image/programs/19-171_s1_p18/thumb002.png?ssl=1)
これは現在日本で放映されているアニメ視聴率でも第4位というとんでもない数字なんですよね。
因みにフリーレンより上の順位は、【サザエさん】【ちびまる子ちゃん】【名探偵コナン】という誰もが知っている国民アニメばかり。
しかもこれらの放映時間は土日の夕方と、完全に比較するまでもない時間帯に放映されています。
そう考えるとどれだけ【葬送のフリーレン】が規格外なのか分かるのではないでしょうか。
正直この2クール目に関しては少し不安がありました。
今回メインとなるのは「第一級魔法使い選抜試験編」。
このエピソードは結構賛否両論だったんです。
フリーレンの中でのメインテーマである生死観から少し離れた内容で、原作でも否定的な反応を示す人が多かったんですね。
そもそも原作のフリーレンはあまり戦闘描写が描き込まれるような作品ではありませんでした。
そのため魔法使い同士の戦いが描かれるこのエピソードは、一部では批判がでることもあったのです。
それに一気に登場人物が増えたのも読者の混乱を招いていました。
![葬送のフリーレン 第23話 感想:ゼンゼさんフリーレンに同行!大魔術師の奇行に戸惑ってる! | アニメつぶやき速報‼︎](https://i0.wp.com/anitubu.com/imgs/2024/02/IBzY01OFL6s9GCy.jpg?ssl=1)
原作では難しい評価となった「第一級魔法使い選抜試験」。
どのように展開するのか不安だったのですが、内容を見ると不安が吹き飛ぶことになります。
前クールからアニメでは原作の補填をするような形で、追加描写が組み込まれてました、
それが第2クールではさら効果を発揮したのです。
原作では淡白だった戦闘シーンをきれいにアニメで描き切っていました。
逆に映像化するとこうなるんだと感銘を受けたぐらです。
新しく登場したキャラに関してもアニメならではの細かい描写で個性が演出されていて、見ていてすんなりと入りこめたのは本当に驚きました。
![葬送のフリーレン』新キャラPV<ユーベル>声:長谷川育美/【一級魔法使い試験編】/毎週金曜よる11:00放送中 - YouTube](https://i0.wp.com/i.ytimg.com/vi/NayMKuFEj8I/hq720.jpg?ssl=1)
たとえば「ユーベル」なんか原作ではちょっと狙いすぎたキャラだったのですが、アニメだと美少女感?が付け加えられて余計に彼女の狂気が引き出されているのです。
これは人気がでて当然ですね。
アニメ制作陣の原作愛がなせる業といえるでしょう。
事実【葬送のフリーレン】は海外人気も凄まじく、海外3大アニメサイトの1つでは2位に3倍もの差をつけて1位を独走しています。
ただここで一つ気になるのが3大アニメサイトの残り2つの1位はフリーレンじゃないのか?ということ。
残り2つのサイトの1位は【葬送のフリーレン】ではありません。
今期にはフリーレンを上回る作品が存在していたのです。
僕の心のヤバイやつ
驚異的な数字を叩き出す【葬送のフリーレン】を上回る作品。
それが【僕の心のヤバイやつ】通称【僕ヤバ】です。
2023年春アニメとして1期が放映された本作。
当時から一部ではかなり話題にあがり、後半になり評価が爆上がりした作品です。
ただこのクールには【推しの子】という2023年を代表する作品が放映されており、覇権アニメとまではいきませんでした。
そして今回第二期が放映されたのですが、最初からとんでもない人気を叩きだしたのです。
![僕の心のヤバイやつ』第2期ティザーPV公開 『ツイヤバ』のアニメ化も決定(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース](https://i0.wp.com/newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20231018-00010037-realsound-000-1-view.jpg?resize=850%2C478&ssl=1)
原作でも主人公の市川とヒロインの山田がつき合い始めるエピソードだったことから、かなりの期待値があったのですがアニメは完全に期待を超えました。
先ほどものべた海外アニメサイトでは【葬送のフリーレン】を抑え1位に君臨。
アマゾンのレビューサイトでは驚異の星5という満点を叩きだしました。
そもそも恋愛系のアニメは好き嫌いが如実に表れるため、評価が分かれることが非常に多い傾向にあります。
しかし評価を見れば分かる通り、【僕ヤバ】は万人に受けているんですね。
なぜ恋愛系のアニメである本作がここまでの人気になったのか?
![『僕ヤバ』第2期開幕!ダンスシーンが“尊い”オープニング映像初公開「求めうる最大までエモくあれ!と…。」(オタク総研) - Yahoo!ニュース](https://i0.wp.com/newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20240107-00020001-otakulab-000-52-view.jpg?resize=708%2C398&ssl=1)
それはこの作品の本当のテーマが自己愛だからです。
相手との距離や自分の思い。
それら感情から生み出される葛藤を思春期の少年少女で上手く表現しているんです。
それでいてキャラが際立ってることもあり変に重たくならずすんなりと見ていられる。
これは神アニメになっても当然ですね。
アニメ制作スタッフもこの作品のことを本当に理解していて、音楽や映像を全てエモさに全振りしているのです。
その結果、普通の恋愛アニメとは一線を介した人気を博すことになるのでした。
これから終盤にかけてさらに加速する2人の思い。
間違いなく今期の覇権アニメと言っても過言ではないでしょう。
2作品の共通点
![葬送のフリーレン』第2期ノンクレジットOP&ED映像公開!(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース](https://i0.wp.com/newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20240106-00056434-animage-000-1-view.jpg?ssl=1)
このように2024年冬アニメでは突き抜けた評価を得ている2作品。
この2つの作品には1つ共通点がありました。
それは制作陣の作品に対するリスペクトと愛情です。
どんな人気作品も忠実にアニメ化するだけでは成功することはできません。
やはり映像に落とし込む時点で脚本なり構成を変更する必要があるのです。
俗にいうアニオリというやつですね。
![僕ヤバ』第2期PV公開、放送日1月6日に決定! 「ツイヤバ」も配信開始 | アニメージュプラス - アニメ・声優・特撮・漫画のニュース発信!](https://i0.wp.com/images.animageplus.jp/articles/56000/56028/OG/565225a7ad31799f9440ce1037b3746e.jpg?ssl=1)
このアニオリは非常に難しく、ときには作品の世界観をぶち壊すこともありました。
ただこの2作品は本当にアニメが原作では表現できない点を補填する形で作られているのです。
これは作品に対する深い理解がないとできません。
アニメ制作陣は作品に深い理解と愛情を持ちそれをアニメ化することで、世界観を壊すところかさらに奥行を作りだすことに成功しているのです。
実際に【葬送のフリーレン】は原作勢から「非の付け所がないアニメ化」とまで言われていました。
これは制作陣が原作をリスペクトしているからこその評価といえます。
![セクシー田中さん」コミカルな中に優しさ 生きづらさに寄り添う作品残した芦原妃名子さん - 産経ニュース](https://i0.wp.com/www.sankei.com/resizer/YJDnnarT5aDi4F15dPSry_bT1vk=/1200x630/filters:focal(186x176:196x186):quality(50)/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/6J7UEKW5ZVLPXGVCJNUBLD4M7I.jpg?ssl=1)
奇しくも同じ日本テレビではドラマ【セクシー田中さん】の一件で原作者が自ら命を絶つといういたたまれない出来事がありました。
脚本家や監督が作品に対して全く愛情が無かったとは言いませんが、どこか視聴率や一般受けすることばかりを考えていたのではないでしょうか?
やはり最終的に良い作品を生み出すためには、原作に対する深い思いがないと駄目だとうち的には感じています。
そういった意味でもこの2作品は、今後も名作として語り継がれていく気がしますね。