2023年もいよいよ終わりますね。
そんな最中、各ゲーム会社の四半期決算が公開されました、
そこでやはり注目をしてしまうのがサイゲームス。
今回はサイゲームスの四半期決算からウマ娘について見ていきたいと思います。
サイゲームス2023年4期決算
先に結論から言ってしまうと予想以上に大苦戦となりました。
2023年四半期のサイゲームスゲーム部門の売上額は423億円となっています。
この金額はウマ娘がリリースされてから2番目に低い数字で、リリース前の売上に毛が生えたものとなりました。
もっと言ってしまうとウマ娘リリース前の2020年2期の448億円よりも低い金額になっとります。
まあその時期は【神撃のバハムート】【グランブルーファンタジー】が絶好調でしたからね。
その後2021年にウマ娘がリリースすると売上は倍増することに。
全盛期の2021年3期には928億円というとんでもない数字を叩き出していました。
こうやって見るとウマ娘ってとんでもないゲームだったのが分かります。
その後ウマ娘人気の低下と共に売上は下落。
今年2023年のアニバーサリーで大炎上してしまい、さらに6月にはコナミ訴訟と大ダメージを負ってしまいます。
その結果2023年3期には売上337億円、収益-1億円と遂に赤字決済を叩きだすことに。
もちろん収益が赤字になったのは、人件費の高騰や人員数の増加など支出が大きかったのが一番の要因でした。
しかしウマ娘の売り上げダウンがそのままサイゲームスの収益に直結しているのは一目瞭然です。
そんな最中今回の4期決算報告。
収益の方も24億円と黒字に転換されているものの、もちろん赤字だった3期を覗けばウマ娘リリース後最低収益。
もっと言うとサイゲームスの決算では三番目に悪い収益となってしまいました。
もちろん全てがウマ娘が原因だと言いません。
【グランブルーファンタジー】の大炎上事件など他の要因があったのも確かです。
ただ3期決算時にはウマ娘のV字回復から大幅な増収増益を描いていたのも事実でした。
そのV字回復になるであろうという見込みが立てられた一番の要因となったのが、アニメ三期の放映だったことは間違いありません。
事実ウマ娘のアプリがここまでヒットしたのは、直前に放映されたアニメ二期の影響があったからです。
サイゲームスとしてはアニメ三期でもう一度ブーストをかけようと考えていました。
しかしアニメ自体の人気が上がらず、販促効果としては失敗という結果になってしまったのです。
こうなってしまえば当然V字回復が見込めるはずがありません。
でじゃなぜここまでウマ娘三期は人気がでなかったのか?
最後までまくりきることができず終わってしまったアニメ三期の失敗原因について見ていきたいと思います。
経営陣の見通しの甘さ
結論からいうと経営陣はアニメ二期の幻想にとらわれて、アニメ三期がヒットするものだと思いこみ過ぎていました。
アニメの内容やクオリティ以前に、ウマ娘を取り囲む現状を理解していなかったのです。
アニメ二期が放映されたのはアプリが発売される前で、全てが謎で新鮮な状態でした。
しかし現在はすでにゲームリリースから2年以上たっています。
アニメ二期の時点では主人公のトウカイテイオーにしてもメジロマックイーンにしても、どういったキャラか分かっていませんでした。
ところがアニメ三期の主人公であるキタサンブラックはどうでしょうか?
すでにゲーム内で実装されており、どういったキャラか分かっています。
それはサトノダイヤモンドもそうでしょう。
そう言った面でアニメ三期から新規ユーザーを取り込むという考え自体が間違っていたのです。
正直これはRTTTがなまじ高評価だったのも原因でしょう。
RTTTでそれなりに高評価を得たため、アニメ三期でもいけると踏んだんだと思います。
言い方は悪いですが全4話の配信アニメと、1クールのテレビアニメでは別物にきまっているじゃないですか。
そのことにすら気付かなかったのはかなりまずかったと思います。
実際にアニメ三期は放送前からそれほどの盛り上がりを見せていたわけでもなかったですし。
ウマ娘自体の人気が落ちていたので、ある意味当然だとも言えるんですが完全に流れを見誤ったと思います。
それでもアニメが面白ければ少しは販促効果を見込めたかもしれませんが、結果はアマプラのレビューでも星3.5が精一杯。
むしろ第一話がピークという典型的な作品になってしまいました。
ではアニメ三期はなぜここまで受け入れられなかったのか?
内的にはその理由は1つだと思っています。
アニメ三期が不評だった理由
正直アニメのクオリティや作画に関しては申し分ないアニメでした。
競馬ネタなんかもちりばめられていて、制作サイドとしては思うような作品を作れたと思います。
では何がダメだったのか?
それは完全にキャラの掘り下げ不足だと思います。
主人公のキタサンブラックやサトノダイヤモンドもそうですが、アニメ二期に比べて圧倒的にキャラを深堀できていません。
とくにそれが如実に出ていたのがサトノクラウンとシュヴァルグランでしょう。
ストーリーとしてはウマ娘のピークアウトを題材にしていて、賛否渦巻くことになりましたがうち的にはまだアリかなと思っていました。
そんな中アニメサイドも勝負の回として位置付けていた11話と12話。
ここでキャラの掘り下げ不足が露呈されてしまいました。
11話に関してはサトノクラウンの掘り下げをほとんどやっていないので、キタサンブラックのライバルとしての立ち位置がまったく不透明なままだったのです。
さらに12話ではシュヴァルグランが急にキタサンブラックを意識していた流れを展開。
これまでシュヴァルグランは姉のヴィルシーナと妹のヴィブロスへのコンプレックスが描かれていたのに、完全にどっかに行ってしまいました。
それでいきなりキタサンブラックと言われても…。
これは序盤からきちんと掘り下げをしていれば、なんとでもなったと思います。
それなのに無理やりレースを詰め込み、人気キャラのナイスネイチャやミホノブルボンを活躍させたため完全に濁ってしまいました。
RTTTではオグリキャップやライスシャワーはあくまで脇役で、主人公ら3人にきちんとスポットライトが当たっていたのになぜアニメ三期では同じことをしなかったのでしょうか?
期待値が大きかっただけにうち的にはかなりショックの展開となりました。
今後三周年を迎えますがウマ娘自体、正直覇権ゲームに戻る可能性は低いでしょう。
これだけ認知度が高い作品なので、IPとして幅広く展開していってもらいたいです。